建物と地盤の動的相互作用

建物が地盤と接する基礎部は、理想的には固定であるのが理解しやすいですが、軟らかい地盤の上に建っているような場合では、地盤の変形も考慮して地震時の応答を評価する必要があります。これを「建物と地盤との動的相互作用」といいます。(アニメーションでは、建物等の自重の影響は無視しています。)

地盤が固い場合
地盤が極めて固く、基礎がほぼ固定条件となっている場合の建物の動きです。地震動入力が終わると、建物の基礎部はほとんど動かず、建物だけが揺れています。
アニメーション
地盤が軟らかい場合
軟らかい地盤の上に建物が建っている場合の動きです。建物への地震動入力が終了した後も地盤に接している基礎が動いています。建物の揺れは固定時よりも少しゆっくりとなっています。また建物の振動がやや早めに収まることが分かります。これは建物の揺れのエネルギーが基礎を介して地盤に流れていくからです。 アニメーション
軟らかい地盤に建物基礎が埋め込まれている場合
軟らかい地盤上に建つ建物に地下階がある場合の動きです。地表面上に建物が載ってる場合に比べ、建物の揺れがさらに早めに収まっています。これは建物の基礎に入力する地震動が小さくなる効果(入力の相互作用)と、建物の揺れのエネルギーが地盤に流れていく効果(慣性の相互作用)の2つが影響しています。 アニメーション