■研究室紹介

 世界の都市人口は全人口の半数に達し,今も増え続けています.一方,日本では縮小する都市が増え,異なる問題が生じています.人々の幸福とサステイナブルな社会の実現のために,都市がうまく機能していくようデザインする必要があります.伊藤研究室では,調査・分析を通して都市の性質を捉え,デザインを通して都市のあり方を提案します.

 デザインや調査・研究の対象は,都市圏のような広域スケールから広場のベンチのような身近なスケールまで,インフラ整備のようなハード面から都市ブランディング戦略のようなソフト面まで,広範にわたります. 現在(2019年度)は,伊藤教授,高柳助教のもと,修士15名,学部4年生10名が所属しています.個々人の研究や設計活動のみならず,有志での自主研究会も行われています.(現在は国内の集落について巡検する集落研究会や,都市の舗装に着目して観察するペーブメント研究会を立ち上げています) また,実際に都市に繰り出して,地形から文化まで総合的に捉えるまちあるきや公共空間の使いこなしを実践するピクニックなどの活動も行い,他研究室や他大学との共同でのワークショップや設計コンペへの参加や,海外を含め多くの都市を実際に見ることを推奨しています.

■主な研究テーマ(2019年度)

・表参道の百年とこれから

・青山のまちとひとのアーカイブ

・中心市街地と地域愛着

・地理情報・位置情報とまちの移動体験

・人口減少による都市空間の変化の実態

対象は,都心,郊外,地方都市,集落など様々ですが,調査に基づきデータを収集し,GIS(地理情報システム)などを用いて空間的・定量的に分析し,その結果を用いて再び実空間・実社会での意味を考察していきます.

■主な活動

□ゼミ

 毎週研究室でのゼミを実施しています.ゼミでは各自の研究や設計について発表し,議論しています.また,社会で活躍されているOB・OGを招いてのオープンラボや,英語でのOne-Minute Presentationも実施しています.

□ピクニック

 毎年春と秋の2回,公共空間の使いこなしのトレーニングとしてピクニックを行っています.学生が中心となって使いこなしてみたい都市のオープンスペースを選定し,各自料理や設えを持ち寄り,都市空間に社交の場を展開していきます.ゲストを呼び,都市空間の中でインタビューを行うこともあります. 伊藤教授が東京ピクニッククラブの主宰者でもあることから,実際にピクニックの心得を体感することができ,都市のオープンスペースを主体的につかいこなす実感を得ることができます.

□まちあるき

 実際に場所やテーマを決めた上でのまちあるきも行っています.事前にその場所の歴史や地形などを資料としてまとめた上で,実際に東京のまちを歩きます.そしてテーマに沿った写真を撮影するWSも兼ねているため,漫然と通り過ぎてしまうまちの中に自分なりの発見をすることができる機会となっています.

□研究室合同合宿

 夏には,他大学の研究室と合同での研究合宿も行っています.2019年度は,宇都宮大学と福島大学と合同で行いました.日頃研究室内での議論が多いですが,多くの先生方や学生と議論することでより研究が深まります.

□ワークショップ・コンペ

 ワークショップやコンペへの参加も推奨しています.2019年度は日本建築学会子ども教育事業部会主催の「子どものまち・いえワークショップ提案コンペ」で最優秀賞を受賞し,実際に子どもを対象としてまちの魅力について体感してもらうワークショップを実施しました.

 他にも他大学とのまちづくりや設計のワークショップ,コンペなどに積極的に参加しています.また,修士課程では他大学との合同スタジオによる設計課題に取り組むこともできます.

4大学合同課題UDCK

■年間スケジュール

4月

5月:春のピクニック,オープンラボ,中間発表会(4年生,M2)

6月:

7月:中間発表会(4年生,M1,M2)

8月:研究室合宿

9月:日本建築学会大会,中間発表会(4年生,M2)

10月:秋のピクニック,卒論発表会(一般コース)

11月:まちあるき,オープンラボ,日本都市計画学会大会

12月:中間発表会(4年生,M1,M2)

1月:新年会(OB/OG会)

2月:卒論発表会(通年コース),修論発表会,卒業設計講評会,修士設計講評会

3月:新4年生配属,卒業式・修了式,中間発表会(M0,M1)

■関連リンク

伊藤研究室HP